十数年ぶりに商標登録のお仕事がやってきたので、メモ。
商標登録の手続きは通常出願にしたので(電子出願は事前申請がとても面倒なのだ、そもそも電子証明書を持っていないし)、今のところはそれなりに進捗している。
ここでメモしておきたいのは「登録商標の表示」についてなのだ。

1. 登録商標は表示する必要があるのか⁇

さて、商標法の第73条は以下のとおり。

商標法第73条(商標登録表示)
 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、経済産業省令で定めるところにより、指定商品若しくは指定商品の包装若しくは指定役務の提供の用に供する物に登録商標を付するとき、又は指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に登録商標を付するときは、その商標にその商標が登録商標である旨の表示(以下「商標登録表示」という。)を付するように努めなければならない。

よくわからないけれど、「務めなければならない」としか定められていないので、商標登録表示は義務ではないと解釈できる。つまり「必ず表示しなくてもいいけど、なるべく表示したほうがいいよ」ということ。
でも、せっかく商標を登録したのだから、ここは登録商標の機能(*1)を思いっきり発揮させるためにも、キッチリ表示しよう。
では、どのように表示するのだろう⁇

*1  「6. オマケ:商標の機能」参照のこと

2. どのように表示すればよいのか⁇

商標法施行規則第17条は、以下のとおり。

商標法施行規則第17条(商標登録表示)
 商標法第73条の商標登録表示は、「登録商標」の文字及びその登録番号又は国際登録の番号とする。

コレはわかりやすい。

登録商標第⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎号

と表示すればよい(⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎は登録番号)。
縦書き・横書き、いずれでもよいようだし、書体や色、大きさについても規定はないようだ(たぶん。全文を読んだわけではないので)。改行してもいいんじゃないのかな??

3. ®は使ってよいのか??

よく見かける®。このマークは「米国の国内法における登録商標を表すマーク」だそうだ。実際のところ、わが国でもこのマークは多用されている。また、消費者・利用者ともに「® = 登録商標」と理解していると期待できるので、事実上の登録商標マークとされているらしい。
つまり、

◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
登録商標第⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎号

なんて表示より、

◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎®

と表示しても問題ない(◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎は登録商標)。ちゃんと商標権の保護も適用される(らしい)。
簡潔だし、デザイン上の制約もかなり削減されそうだ。
あとはデザイナーに、商品やサービスに似合ったデザインをお願いしよう。

5. 登録商標を文章で表記するときの留意事項

商標登録した商品やサービスを文章で紹介するときなどには、必ず脚注などで、

「◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎」は、×××××××××××××の登録商標です。

と明示すること(××××××××××××は商標権者)。商品やサービスの説明文やカタログなどには必ず表記しておこう。
とくに第三者に商品やサービスを紹介してもらうときなどは、この一文をどこかに記載してもらうこと。
あと、文章内では登録商標をカッコで囲むなどして、普通名称ではないことを強調することも忘れないようにしよう。

6. オマケ:商標の機能

知人の法律家に聴いたところ、商標には一般に以下に示す機能が期待できるとされているとのこと。

出所表示機能
商品を誰が作っているのか、サービス(役務)を誰が提供しているのかを、消費者や利用者にわかってもらう機能
品質保証機能
商品に一定の品質(おいしいとか便利だとか)があることを消費者や利用者にアピールする機能
広告宣伝機能
商品を買ってもらうこと・利用することを、消費者や利用者に促す機能

7. オマケ:™と©

同じようによく目にするマークに™と©がある。
™は商標マークのこと。これも米国の国内法に定められているものらしい。わが国の商標登録表示とは関係ない。
©は著作権に関する表示であって、これも商標登録表示とは関係ない。