動画ファイルはけっこうサイズが大きい。 スマートフォンやタブレットなどの携帯端末で持ち出す動画を選ぶとき、空き容量が少なくてあきらめてしまったことはないだろうか。今回は、 HandBrake 日本語版を使って、動画ファイルを小さくするメモ。

HandBrake 日本語版を使う理由は、 Windows 10 では Windows ムービーメーカーが標準搭載ではないからだ。 PC が Windows 7 のかたで、 Windows ムービーメーカーのほうが使いやすいというかたは、過去記事『動画ファイルを縮小する : Windows ムービーメーカー + Windows 7 編』を参照されたい。

1.  HandBrake 日本語版について

ハンドブレイク、またはハンドブレーキと読む。

HandBrake は、 DVD や BD などの動画を、 PC や iPhone 、 iPad などの携帯端末で再生できる形式に変換できる動画形式変換ツール( *1, *2 )。その特徴に、 Apple 社製品各種に最適な各種のパラメータがあらかじめ用意されていて 1 クリックで選択できること、 Apple 社の 「 m4v 」形式を扱うこと、有志によって日本語化と日本語版の配布が行われていることなどがある。 Mac OS 、 Windows 、そして Linux 上で動作するマルチプラットフォームで、もちろんフリーソフトだ。

2017 年 1 月 現在、 HandBrake 日本語版( Windows 版 )の最新バージョンは 0.9.4-jp-r2 。

*1  日本語版 0.9.4-jp-r2 では BD に対応していない
*2   HandBrake はリッピングツールではない

2. 動画ファイルを小さくする

HandBrake 日本語版をダウンロード・インストールしておく。ダウンロードはこちらの Web サイトから → 「パッケージ Windows版HandBrake日本語版 – HandBrake日本語版 – OSDN 」。

2-1. HandBrake 日本語版の使いかた

2-1-1. 動画の読み込みと保存先の設定

  1. HandBrake を起動する
  2. ツールバーの「変換元」ボタンをクリックして、「動画ファイル」を選択する(下図)

    handbrake0200
    HandBrake : 「動画ファイル」を選択
  3. 変換する動画を選択して、「開く」ボタンをクリックする
  4. 「保存先:」グループで「選択」ボタンをクリックして、変換後の動画ファイルの保存先フォルダとファイル名を設定する(下図)

    handbrake0220
    HandBrake : 保存先フォルダとファイr名の設定
  5. 画面右ペインの「プリセット」で「 iPod Legacy 」を選択する(下図)
    handbrake0230
    HandBrake : 「 iPod Legacy 」を選択

    ここでは動画ファイルのサイズを小さくすることが目的なので、画質が悪くなることはガマンして、あえて「 iPod Legacy 」を選択した。

    次回以降は、「手順 2-1-8. プリセットの追加」で作成するプリセットを選択すると変換手順がラクになる。

2-1-2. サイズタブの設定

  1. 画面下ペインの「サイズ」タブを開く
  2. 「アスペクト比を維持」をクリックしてチェックする(下図)

    handbrake0240
    HandBrake : 「アスペクト比を維持」をクリックしてチェック

「アスペクト比を維持」をクリックしてチェックすれば、「高さ:」が「 0 」から「 368 」になる。

「アナモフィック」は「なし」のままが無難だと思う。

2-1-3. フィルタタブの設定

  1. 「フィルタ」タブを開く
  2. 「逆テレシネ:」を「デフォルト」にする
  3. 「 Decomb :」を「デフォルト」にする
  4. 「ノイズ軽減:」を「中」にする(下図)

    handbrake0250
    HandBrake : 「フィルタ」タブ

「フィルタ」タブでの設定は、まずすべてを「 Off 」にして変換してみる。結果によって、または動画の種類に合わせて設定を変更するとよいと思う。

  • 「逆テレシネ:」 : TV放送を録画した動画ファイルなど、フレーム率が 30fps の動画に対して有効
  • 「 Decomb :」 : TV放送を録画した動画ファイルなどを再生したときに横縞模様(インターレース)がでる動画に対して有効
  • 「デインターレース:」 : 効果は「 Decomb :」と同じ。処理の手順が異なるだけだと思う。ただし、「 Decomb :」と同時に選択できない
  • 「ノイズ軽減;」 : 変換後の動画がザラザラした画質になるときに有効。通常は「 Off 」でよいと思う
  • 「ブロックノイズ軽減:」 : 変換後の動画でブロックノイズが気になるときに指定する。圧縮しすぎない限り「 Off 」のままでよい

2-1-4. 動画タブの設定

  1. 「動画」タブを開く
  2. 「動画コーデック:」は「 H.264(x264)  」のままにしておく
  3. 「フレームレート( FPS ):」は「変換元と同じ」のままにしておく
  4. 「品質」の「数値で指定:」をチェックして、スライダーで画質を指定する(下図)

    handbrake0256
    HandBrake : 「動画」タブ

いくつかの動画を変換するときに「品質」の「数値で指定:」を同じにすると、一定の画質にそろえることができる。スライダーを右に動かすほど画質がよくなるけれど、ファイルサイズは大きくなる。スライダーを左に動かせば、ファイルサイズは小さくなる。ただし、ファイルサイズを小さくすると、動きの激しい動画は再生時にもたつくことがある。あまり圧縮しすぎないようにすること。動画にもよるけれど、 60%  RF:20 くらいがひとつの目安になると思う。

  • 「動画コーデック:」 : 「 H.264(x264) 」のままでよいと思う
  • 「フレームレート:」 : 「変換元と同じ」のままでよいと思う。変換元より低くするとファイルサイズは小さくなるが、画質が劣化する
  • 「 2-pass エンコード」 : チェックすると画質はよくなるが、変換に時間がかかる。時間がかかっても画質をよくしたいときにチェックするとよいと思う
    • 「 1回めのスキャンを高速化する」 : 変換にかかる時間がすこし短くなるが、画質はやや荒くなる
  • 「品質」
    • 「ファイルサイズを指定( MB ):」 : 変換後のファイルサイズを指定する。おススメできない。最新バージョンではこの項目はなくなっている
    • 「平均ビットレートで指定(kbps):」 :変換後の平均ビットレートを指定する 。低めに設定すれば、低スペックの端末でも再生しやすくなる。
    • 「数値で指定:」 : 変換後の画質を指定する。いくつかの動画を同じ数値で変換すれば、一定の画質にできる。

2-1-5. 音声タブの設定

変換後の動画に含める音声を設定する。ここではトラック 1 を日本語に、トラック 2 を英語にしている。

なお、音声コーデックは「 AAC 」にしておくのが無難だと思う。「 AC3 パススルー」にすれば音質がよくなる(元の音質が維持される)けれど、変換元の動画ファイルが「 m4v 」でないと変換後では音声が再生できない。また、再生できる端末やアプリが限定される。そもそも「 mp4 」は「 AC3 」に対応していない。

  1. 「音声」タブを開く
  2. トラック 1 を選択する(下図)

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    HandBrake : 「音声」タブ
  3. 音声トラックのソースから「 1:Japanese(AAC) 」を選択する(下図)

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    HandBrake : 「音声」タブ
  4. 「トラックを追加」ボタンをクリックして、トラック 2 が追加されて選択されていることを確認し、音声トラックのソースから「 2:English(AAC) 」を選択する(下図)

    handbrake0267
    HandBrake : 「音声」タブ
  5. 各トラックの内容を確認する(下図)

    handbrake0275
    HandBrake : 「音声」タブ

2-1-6. プレビュー

PC に QuickTime がインストールされていれば、この時点でプレビューできるので、画質や音声を確認すること。動画の変換には時間がかかるので、ここでしっかり確認するのがよいと思う。

  1. 「プレビュー」ボタンをクリックする(下図)

    handbrake0300
    HandBrake : 「プレビュー」ボタン
  2. 「動画のプレビュー」画面が開く
  3. 「開始時刻」と「時間(秒)」を指定して、「 QuickTime で再生」ボタンをクリックする
  4. 「コマンドプロンプト」画面が開いて、動画が変換される
  5. 変換が終われば、「再生」ボタンをクリックしてプレビューできる(下図)

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    HandBrake : 「動画のプレビュー」画面

「開始時刻:」は「 1 」から「 10 」を選べるけれど、どういう単位なのかは不明。単純に動画を  10 分割しているわけではないと思う。

プレビュー動画は、「保存先ファイル」で指定しているフォルダに保存される。 HandBrake を終了しても、プレビュー動画は自動的に削除されない。定期的に手動で削除する必要がある。

「 QuickTime 」は、 Web サイト「アップル – サポート – ダウンロード」からダウンロードできる。

2-1-7. プリセットの追加

ここまでの設定は、プリセットのひとつとして保存できる。次回からの設定の手間をはぶくために、ここまでの設定をプリセットに追加しておこう。

  1. 画面右の「プリセット」ペインの「追加」ボタンをクリックする(下図)

    handbrake0310
    HandBrake : 「プリセット」ペイン
  2. 「プリセットを追加」画面が表示されるので、「プリセット名」にわかりやすい名前を入力して「追加」ボタンをクリックする(下図)

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    HandBrake : 「プリセットの追加」ダイアログ

次回からは、ここで追加したプリセットを選択すればよい。

2-1-8. 変換

動画ファイルを変換する。変換にはかなりの時間がかかるので、各種の設定をしっかりと確認してから変換を始めること。

  1. 「変換開始」ボタンをクリックする(下図)

    handbrake0350
    HandBrake : 「変換開始」ボタン
  2. 「コマンドプロンプト」画面が開いて、動画が変換される

「コマンドプロンプト」画面には、どこまで変換したか( % )、残り時間が表示される。参考にして、時間を有効に使おう。

2-2.  変換結果とファイル名の変更

変換前後のファイルサイズを比較してみる。変換後は、ファイルサイズが 1/3 程度まで小さくなっている(下図)( *3 )。

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変換結果 : 変換後(左) 545MB、変換前(右) 1.47GB

あとは画質と再生時の問題だ。なっとくできる画質になるまで、各種のパラメータを変更して試してみるとよいと思う。

*3  1GB = 1024MB で計算
動画ファイルの拡張子

ひとつ重要なことがある。変換後の動画ファイルの拡張子が「 m4v 」になっている。 iPhone や iPad などで再生するならこのままでもかまわない。しかし IS01 のような旧世代の Android 端末では、このままでは動画ファイルと認識されない。ファイルの拡張子を「 mp4 」に変更しておくこと。

変換元の動画ファイルの拡張子が「 mp4 」なら、変換後の拡張子を「 mp4 」に変更しても問題はない。

2-3.  HandBrake 日本語版の設定

2-3-1.  プリセットの変更

手順「 2-1-8. プリセットの追加」で追加したプリセットの内容は、いつでも変更できる。いくつかの動画を何回か変換してみて、パラメータの変更があったら、そのときはプリセットを変更するのがよいと思う。

プリセットを現在の状態に変更するには、変更したいプリセットを右クリックして、「 Save Changes 」を選択する(下図)

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HandBrake : プリセットの変更

2-3.-2. オプションの変更

必要に応じて、変換後の動画ファイルの保存先を自分なりに変更しておくと便利だと思う(下図)。

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HandBrake : オプション設定画面 一般タブ

オプション画面を開くには、「ツール」メニューの「オプション設定…」を選択する。

3. まとめ

  • 今回は動画のファイルサイズ縮小が目的なので、画質はある程度無視した設定になっている
  • 今回は、ファイル形式が「 mp4 」の動画から変換したので、字幕の設定はしていない
  •  HandBrake は Windows ムービーメーカーにくらべてかなり高機能だけれど、基本的な設定さえ間違えなければ、使うのにそんなにむずかしくはないと思う
  •  Windows ストアでは、 2017年 1 月 28 日現在、 Windows ムービーメーカーのダウンロードはできない。今後、リリースされる可能性はあるけれど、待っていられないってかたには HandBrake 日本語版をおススメする
  •  BD から動画を取り込みたいかたは、本家の HandBrake の最新バージョンが対応している

 

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